セラミック治療後の痛み？考えられる原因は？

自然で美しい白さが特徴のセラミックを使った補綴物ですが、治療を終えたあと、まれに歯や歯ぐきに痛みが出ることがあります。痛みが出ると、せっかく治療をしたのになぜ痛くなるの？と不安になることと思います。ではなぜセラミック治療をした後に痛みが出ることがあるのでしょうか。今回はセラミック治療後に起こる痛みの原因をお話いたします。

セラミック治療とは？

セラミック治療とは、虫歯で削った歯の部分を補うための詰め物や被せ物を使う治療のことで、保険素材のものに比べて審美性と耐久性に優れています。またこれまで銀歯や保険の白い素材で審美性を気にしていた方にとって、自然な白さで口元の審美性を回復できることで、コンプレックスを解消することができます。

それに加え、セラミック治療は二次カリエスという虫歯の再発のリスクを抑えることができます。二次カリエスは再治療を繰り返すため、最終的に歯を残すことができない可能性があるばかりか、案外治療費がかさんでしまいます。セラミック治療は自費のため高いという印象を持たれますが、結果的にコストを抑えることができます。こういったところもセラミック治療の優れた点であると言えるでしょう。

セラミック治療後に起きる痛みの原因とは？

メリットが多いセラミック治療ですが、セラミックの補綴物を歯に装着した後、まれに痛みを感じる方がおられます。それは歯の痛みなのか、歯ぐきの痛みなのか・・・セラミック治療後に痛みが起きると心配になりますよね。ではセラミック治療後に起きる痛みはいったいどんなことが原因なのでしょうか。

原因その①　歯を削ったことによる刺激による痛み

虫歯が神経近くまで進行しているものの、歯の神経を取るほどではないと診断された場合、インレーと呼ばれる詰め物を詰めることで削った部分を修復します。この際、歯の神経は残っているため、インレーを詰めるために歯を削って修正します。このとき歯を削ったことにより、一時的に痛みを感じることがあります。またセラミックインレーを詰めたあともしばらく違和感が残るかもしれませんが、ほとんどの場合一過性の痛みのため、しばらく様子を見ることがほとんどです。

原因その②　歯ぐきのきわを削った際の刺激による痛み

セラミッククラウンを被せる際、自分の歯を削る必要があります。特に前歯にセラミッククラウンを被せるときに、歯ぐきのきわを削りますが、その際に歯ぐきに痛みを感じることがあります。こちらもセラミックを被せたあと、一両日中には落ち着いてくることがほとんどです。

原因その③　セラミックの補綴物が合っていない

歯を削った部分にセラミックの補綴物を詰めたり被せたりした際、歯との適合が悪いと歯ぐきに腫れや出血などの炎症を引き起こすことがあります。ただこの症状は、精度が高くない保険の素材によく起こり、セラミックの補綴物ではあまり起こりません。というのも、保険素材に比べて自費のセラミック素材は、歯と補綴物の境目がより丁寧に形成されることと、深めに歯を削ることで歯と歯ぐきの境目の段差がほとんどないためです。

それでも稀にセラミックを装着した歯ぐきに炎症が起きることがありますので、早めに担当医に相談して下さい。

原因その③　根の中に細菌が残っている

虫歯が神経まで達している場合、汚染された根の中を完全にきれいにしてから補綴物を被せなければいけません。根の中の治療をしっかりと行い、完全に細菌を取り除いたことを確認してから土台を立て、被せ物を被せて機能を回復させます。ところが根の中にまだ細菌が残っている状態で被せ物を被せた場合、いつまでたっても違和感や鈍い痛みが残ります。また根の先に膿の袋ができて、歯ぐきに白いニキビのようなものができてしまうことがあります。この症状が起きていると、噛んだときに鈍い痛みを感じます。

原因その④　噛み合わせが合っていない

保険素材のものであってもセラミック素材であっても、補綴物を装着した場合は必ず噛み合わせを合わせます。ところが噛み合わせが高く感じるなど噛み合わせが合っていない場合、噛んだときに痛みを感じることがあります。噛み合わせは非常に重要です。補綴物を装着して噛み合わせに慣れないことも考えられますが、高く感じる、痛みが続く状態が続く場合は早めに受診して下さい。