インビザラインとは、歯列矯正の一種です。
マウスピースを交換しながら、歯並びや噛み合わせを整えていきます。
中学生のお子さまをお持ちの親御さまのなかには、
「うちの子が歯並びを気にしているんだけど、インビザラインで矯正できる?」
「中学生のインビザライン矯正にはどのくらいの費用や期間がかかる?」
とお悩みの方も多いでしょう。
そこで、今回は以下の内容について解説します。
- 中学生でもインビザライン矯正はできる?
- 中学生のインビザライン矯正のメリットとデメリット
- 中学生にインビザラインがおすすめな理由
- 中学生のインビザライン矯正にかかる費用と治療期間
この記事を読むことで、中学生のお子さまに適した歯列矯正方法を選択できるようになります。
お子さまの歯並びにお悩みの親御さま、そしてご自身の歯並びが気になっている中学生の方はぜひご参考にしてください。
中学生でもインビザライン矯正はできる?
中学生でインビザラインでの歯列矯正をすることは可能です。
インビザラインは、永久歯がすべて生え揃い、あごの成長が終わった段階から開始できる歯列矯正方法です。
そのため、上記の条件を満たしていれば、とくに年齢制限はありません。
なお、乳歯から永久歯に生え変わっている途中段階の場合は、インビザライン・ファーストという歯列矯正を選択できます。
中学生のインビザライン矯正のメリットとデメリット
中学生で始めるインビザライン矯正には、メリットとデメリットの両方があります。
それぞれについて詳しく解説します。
メリット
中学生のインビザライン矯正のメリットは次のとおりです。
- 目立たない
- 取り外し可能
- 痛みが少ない
それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
目立たない
インビザライン矯正では、歯を移動させるためにマウスピースを装着します。
このマウスピースは透明で薄く、周りに歯列矯正していることを気づかせません。
取り外し可能
インビザライン矯正で用いるマウスピースは、患者さまご自身で取り外しできます。
食事やオーラルケアの際は外していただきます。
そのため、食事の制限などもありません。
成長期の中学生にとって、食事を楽しむことができるのは大きなメリットといえます。
また、しっかりとブラッシングできるため、虫歯や歯周病のリスクを抑えながら矯正治療を進められます。
痛みが少ない
インビザラインはワイヤー矯正と比べて、痛みや違和感が少ない矯正方法です。
学業やスポーツなどに支障をきたすことなく、歯並びを整えられます。
デメリット
中学生のインビザライン矯正のデメリットは次のとおりです。
- 治療期間が長くなる可能性がある
- 自己管理が必要
- 対応できない症例もある
それぞれのデメリットについて詳しくみていきましょう。
治療期間が長くなる可能性がある
インビザライン矯正はワイヤー矯正に比べて、歯にかける力が弱く設定されています。
そのため、患者さまの歯並びの状態によっては、ワイヤー矯正のほうが早く治療を終えられる可能性もあります。
自己管理が必要
インビザラインでは、毎日20時間以上マウスピースを適切に装着しなければ矯正効果を得られません。
患者さまご自身でマウスピースを装着しなければならないため、自己管理が求められる治療法です。
マウスピースの長時間の装着が難しい場合は、ワイヤー矯正を検討したほうがいいケースもあります。
対応できない症例もある
ワイヤー矯正に比べて、インビザライン矯正が対応できる不正咬合は限られています。
歯がねじれて生えている場合や、抜歯が必要な不正咬合の場合は、インビザラインでの歯列矯正は困難です。
中学生にインビザラインがおすすめな理由
インビザラインが中学生に適している理由は、次のとおりです。
- 透明で見た目も気にならない
- 部活中に口腔内を傷付けにくい
- 快適な食事ができる
- 矯正効果が現れやすい
- 通院回数が少ない
- 非抜歯での矯正ができる
- 虫歯や歯周病のリスクが減る
それぞれについて、詳しくお伝えしていきます。
透明で見た目も気にならない
思春期に入り、周りの目も気になり始める中学生には、とくにインビザライン矯正がおすすめです。
インビザラインで用いる矯正装置は薄く透明なマウスピースであるため、周りに矯正していることを気づかせません。
部活中に口腔内を傷付けにくい
中学生になると、部活動もいちだんと活発になるでしょう。
スポーツや吹奏楽などの部活動に所属しているお子さまのケースでは、ワイヤー矯正が支障となる場合があります。
ワイヤー矯正の矯正装置である金属製のワイヤーやブラケットが、口内や楽器を傷付ける恐れがあるためです。
しかし、インビザライン矯正ならば、スポーツや吹奏楽などの部活動にも影響を与えません。
試合や演奏会などの大事な場面ではマウスピースを取り外せることも、インビザラインの大きなポイントです。
快適な食事ができる
インビザラインで用いるマウスピースは、ご自身で取り外し可能です。
そのため、ワイヤー矯正と違って、食事の制限はありません。
成長期である中学生の時期に、制限なくさまざまなものを食べることは「食育」の観点からも重要です。
矯正効果が現れやすい
成長期のお子さまはまだ骨がやわらかく、歯が動きやすい状態です。
個人差はありますが、成人よりもスムーズに歯を移動させられます。
通院回数が少ない
ワイヤー矯正の場合は矯正装置を調整する必要があるため、1ヶ月に1回ご通院いただかなければなりません。
一方、インビザライン治療開始直後は1ヶ月に1~2回ほどご通院いただく必要がありますが、その後は2~3ヶ月に1回の通院になります。
そのため、学業や部活動で忙しくしている中学生には、とくにおすすめの矯正方法といえます。
非抜歯での矯正ができる
インビザライン矯正は、抜歯をせずに歯並びを整えていく矯正治療です。
また、乳歯と永久歯の混合期から始められる「インビザライン・ファースト」ならば、永久歯の生えるスペースを作りやすいため、さらに抜歯の可能性は低くなります。
ただし、三次元的に歯を動かさなければならない場合や、あごと歯のサイズが合っていない場合などは、ワイヤー矯正の適用となります。
虫歯や歯周病のリスクが減る
ワイヤー矯正の場合は、矯正装置部分に磨き残しが発生しやすく、そこから虫歯や歯周病になってしまうケースもあります。
しかし、インビザラインのマウスピースはご自身で取り外しできるため、矯正前と変わらないオーラルケアが可能です。
関連記事:インビザラインは何歳から何歳までできる?対象年齢を解説
中学生のインビザライン矯正にかかる費用と治療期間
ここからは、中学生のインビザライン矯正の費用と治療期間についてご紹介します。
矯正費用
中学生のインビザライン矯正にかかる費用の目安は、60~100万円です。
乳歯と永久歯が混在する時期から始められるインビザラインファーストの費用の目安は、40~80万円です。
治療期間
中学生のインビザライン矯正に必要な期間の目安は、2~3年です。
ただし、歯並びの状態やあごの成長具合などによって、治療期間は変動します。
なお、今回ご紹介したインビザライン矯正の費用と目安は、すべて歯列全体を矯正する「全体矯正」のものです。
前歯のみを矯正する「部分矯正」ならば、費用や期間は抑えられますが、中学生にはおすすめできません。
部分矯正では噛み合わせの調整までできないためです。
中学生で歯列矯正を検討する場合は、歯並びだけでなく、噛み合わせまで調整できる全体矯正を選びましょう。
まとめ
インビザライン矯正は、中学生から始められる歯列矯正です。
ただし、対応できない症例があることや、自己管理が求められることなどはあらかじめおさえておきましょう。
本コラムで中学生のインビザライン矯正について正しく理解し、お子さまにもっとも適した方法で歯並びの改善を目指しましょう。

医療法人はぴねす 理事長 野澤修一
福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。
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