インビザライン治療中に転院を希望する場合、さまざまな手続きや費用が発生します。

歯科医院の転院を検討している方のなかには、「転院にはどのくらいの費用がかかるのか知りたい」「今の歯科医院に不満があるけど、転院で損をしたくない」とお悩みの方も多いでしょう。

インビザラインの転院にかかる費用は、現在の治療状況や、歯科医院の対応によって大きく変動します。

そこで、今回は以下の内容について詳しく解説します。

  • インビザライン治療を転院する際にかかる費用、流れ、注意点
  • インビザライン治療で転院が必要になる主な理由

この記事を読むことで、インビザライン治療の転院に関する費用の目安や注意点がわかり、安心して転院手続きを進められるようになります。

今の治療に不安を感じている方や、より納得できる矯正治療を受けたい方は、ぜひ参考にしてください。

インビザライン治療を転院する際にかかる費用

インビザライン治療で歯科医院を移る場合には、転院前の歯科医院と転院後先の歯科医院に支払う費用がそれぞれ発生します。

転院前の歯科医院に支払う費用の目安は無料~30,000円程度です。転院先の歯科医院に支払う費用は、治療の進行具合や治療計画の変更などによって大きく変動します。

ここからは、インビザライン治療で転院する際にかかる費用の内訳について、詳しく解説します。

現在治療中の医院に支払う費用

現在治療中の歯科医院に支払う費用としては、以下のものが挙げられます。

  • 転院相談料:無料~10,000円程度
  • 資料作成代:10,000円程度
  • 手続き代:無料~10,000円程度

転院相談料については、歯科医院ごとに異なります。

無料で対応してくれる歯科医院もありますので、治療開始前に確認しておくと安心です。

転院時には現在の治療状況や検査結果を転院先に共有するための資料を作成してもらいます。

この資料がなかったり、不十分であったりする場合は、転院先の歯科医院で再検査や再診断が必要になり、その分費用がかさむことには注意しておきましょう。

手続き代とは、インビザラインシステムのアカウント引き継ぎの手続きにかかる費用のことです。

手続き代についても歯科医院によって対応が異なるため、確認しておきましょう。

転院先の医院に支払う費用

転院先の歯科医院に支払う費用として、以下のものが挙げられます。

  • 再検査料・再診断料:30,000円程度
  • 装置料:医院・治療内容によって異なる

転院元の歯科医院からの資料や情報共有が不十分な場合、再検査や再診断が必要となることがあります。

また、治療費は治療の進み具合によって変動します。

インビザラインからワイヤー矯正へ切り替えるなどの治療計画の変更、インビザラインのマウスピースの再作成などが必要な場合、追加費用が発生することもあります。

インビザライン治療を転院する流れ

続いて、インビザライン治療中の転院の流れについてご紹介します。

  1. 現在治療中の歯科医院へ相談する
  2. 転院先を決める
  3. 資料を作成してもらう
  4. 転院先へ資料を渡し、転院手続きを行う
  5. 転院先での治療再開

本記事で紹介するステップは一般的なものです。

転院元・転院先の歯科医院によっては異なる手続きが必要な場合もありますので、詳しくはそれぞれの歯科医院にご確認ください。

現在治療中の歯科医院へ相談する

まず、現在通っている歯科医院に「転院したい」という意向を伝えます。

転院理由を正直に伝える必要はありませんが、転院先への適切な引き継ぎのためにもきちんと相談しておきましょう。

この段階で、これまでの治療内容やアライナー(マウスピース)の作製状況などをあわせて確認しておくと、後の手続きがスムーズになります。

転院先を決める

次に、転院先となる新しい歯科医院を選びます。

インビザライン矯正を含む歯列矯正の実績が豊富で、転院対応に慣れている医院を選ぶとよいでしょう。

転院の受け入れ可否や転院後にかかる費用、治療方針などについて詳しく説明をもらうために、無料カウンセリングなどの活用もおすすめします。

資料を作成してもらう

転院先が決まったら、現在通っている歯科医院に依頼して、治療の進捗状況や診断データをまとめた資料を作成してもらいます。

今までの治療経過や今後の治療計画が記載されるため、この資料は治療の引き継ぎに非常に重要な役割を果たします。

なお、資料作成には別途費用がかかる場合もありますので、事前に医院側に確認しておきましょう。

転院先へ資料を渡し、転院手続きを行う

作成した資料を転院先の歯科医院へ提出すると、正式な転院手続きが行われます。

必要に応じてインビザラインシステム内のアカウント引き継ぎを進めることもありますが、別途費用がかかる場合があります。

同時に、転院先での治療企画や費用についての説明を受け、納得したうえで契約の手続きをすすめていきます。

転院先での治療再開

転院手続きが完了次第、いよいよ転院先での治療がスタートします。

転院元の資料にもとづいて治療を継続・再開する場合もありますが、あらためて検査・診断を行い、治療計画を立て直すケースもあります。

治療計画の変更やアライナーの再作製が必要になる場合は、その分費用がかかることを覚えておきましょう。

インビザライン治療を転院する注意点

インビザライン治療中に点委任する場合は、いくつか注意しておきたいポイントがあります。

とくに「返金対応」と「治療の中断リスク」については、事前にしっかり確認しておきましょう。

返金の有無について

現在通っている歯科医院ですでに支払った治療費について、転院時に返金対応が可能かどうかは、歯科医院ごとの規定によって異なります。

とくにインビザライン治療では、契約時に「全額前払い」の形式を取るケースが多いため、治療の進行状況によっては返金が一部しか受けられない、もしくは返金がない場合があります。

転院を考える際は、まず契約書の内容を確認し、歯科医院側に返金の可否や返金額の計算方法について直接相談してみましょう。

返金額について

転院時の返金対応がある場合、返金額は治療の進行具合に応じて決まるケースがほとんどです。

治療初期段階ではあれば多くの返金額が見込めることもありますが、治療終了間近や保定期間に入っている場合は返金率が低くなる傾向があります。

ただし、歯科医院の方針によっては返金対応が受けられない場合もありますので、しっかり医院側に確認することが大切です。

治療の中断について

転院の手続きには、現在の歯科医院との調整や、新しい医院での再診断、データの移行など、一定の時間がかかります。

この期間、インビザライン治療が一時的に中断されるリスクがある点にも注意が必要です。

治療が中断すると、歯が予想外の動きをしたり、計画通りの位置に定着しなかったりする恐れがあります。

また、アライナーを長期間使用しない期間が生じると、歯が後戻りしてしまう可能性も生じます。

治療の中断期間をできるだけ減らすためにも、スムーズな移行を心がけましょう。

新しい歯科医師とのコミュニケーションをしっかり取り、治療目標を明確にしたうえで迅速に治療を再スタートすることが大切です。

インビザライン治療で転院が必要になる主な理由

インビザライン治療を進めるなかで、転院を考える理由はさまざまです。

  • 効果が実感できない
  • 進学や転勤による引っ越し
  • 現在の意思への不満
  • 医院の閉院

ここからは、転院を考える主な理由4つについて詳しくご紹介します。

効果が実感できない

インビザライン治療を始めたものの、予想よりも効果が実感できないという理由で転院を検討する患者さまがいらっしゃいます。

治療開始から数ヶ月が経過しても思ったように歯並びが改善されない場合、多くの患者さまは不安や不満を感じるでしょう。

そのような理由で転院した場合、転院先での治療方法の見直しや、治療計画の再立案が行われることがあります。

その際、転院元での治療計画や使用していたアライナーを再評価し、そのうえで新しい治療計画が立てられることもあるため、情報共有が非常に重要になります。

転院する前の歯科医院での治療計画や治療状況をしっかりと確認し、転院先に伝えるとともに、矯正治療に対する不安や希望する仕上がりを歯科医師と共有することが大切です。

進学や転勤による引っ越し

進学や転勤などの生活環境の変化を理由に、転院をしなければならない場合もあります。

とくに遠方への引っ越しとなると、通院が難しくなり、治療が中断されるリスクが高まります。

引っ越しにともなう転院の場合は、転院先を早めに決めて、手続きを進めることが大切です。

転居が決まった段階で、引っ越し先近くでインビザライン矯正を提供している歯科医院を探して、治療内容をしっかり引き継ぐことができるようにしましょう。

現在の医師への不満

インビザライン治療を受けているなかで、歯科医師とのコミュニケーションが「うまく取れない」「説明の不足を感じる」といった理由で、転院を検討するケースもあります。

歯科医師に対する不満がある場合、まずはその歯科医師との対話を試みることをおすすめします。

治療に対する不安や疑問を正直に伝えることで、歯科医師との関係性が改善する可能性もあるためです。

しかし、それでも解決しない場合は転院を考えるのもひとつの方法です。

転院を繰り返すような事態に陥らないようにするためにも、転院先の治療方針や歯科医師の対応が自分に合うかどうかをよく確認しておきましょう。

医院の閉院

歯科医院の閉院により、転院を余儀なくされるケースもあります。

その医院での治療を継続できなくなるため、早急に転院先を決め、治療を引き継いでくれる歯科医院を探しましょう。

また、転院元から治療データやアライナーの作製に関する情報などを受け取り、転院先へ渡すことがスムーズな治療再開につながります。

まとめ

インビザライン治療の途中で転院する場合、費用や手続き、治療の中断リスクなど、さまざまな要素を考慮する必要があります。

本記事を参考に転院を決断する前にしっかりと情報を集め、医院側と相談や確認を行うことで、スムーズに矯正治療を再開することができます。

治療中断期間をなるべく短くして、安心して治療を続け、理想の歯並びを手に入れましょう。

野澤修一
コラム監修者

医療法人はぴねす 理事長 野澤修一

福岡歯科大学を卒業後、福岡県・大阪府・兵庫県の歯科医院にて14年間勤務。その後、2014年9月に「はぴねす歯科石橋駅前クリニック(大阪府池田市)」、2018年6月に「緑地公園駅前クリニック(大阪府府中市)」、2020年7月に「川西能勢口駅前クリニック(兵庫県川西市)」、2022年11月に「尼崎駅前クリニック(兵庫県尼崎市)」を開院。現在は医療法人はぴねすの理事長として4医院を運営。

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