すきっ歯(空隙歯列)とは、歯と歯の間に隙間が空いてしまっている状態のことです。
「すきっ歯が気になって、見た目に自信が持てない」
「日常生活で困っていることはないけど、すきっ歯を治したい」
と思っている方も多いのではないでしょうか?
すきっ歯は歯科医院で改善・治療することが可能です。
そこで、今回は以下の内容について解説します。
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この記事を読むことで、すきっ歯の原因や改善方法を知り、ご自身に合った治療方法を選べるようになります。
すきっ歯にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
すきっ歯の原因
すきっ歯の原因は、以下の3つに大別されます。
- 遺伝的要因
- 悪習慣
- 歯周病
それぞれの原因について詳しくみていきましょう。
遺伝的要因
先天的なすきっ歯は、顎の骨や歯の大きさによって起こります。
歯のサイズに対して顎の骨が大きかったり、顎の骨のサイズに対して歯が小さかったりすると、すきっ歯になる可能性が高くなります。
また、顎の骨や歯のサイズは親から子どもへ遺伝する可能性があるため、ご両親がすきっ歯の場合はお子さんもすきっ歯になるリスクが高いです。
生まれつき前歯の本数が少ない場合や、何らかの理由で永久歯への生え変わりがうまくいかなかった場合も、すきっ歯のリスクが高まります。
悪習慣
無意識にしている癖なども、すきっ歯の原因になります。
舌で前歯を押す癖や舌を出す癖、指しゃぶりなどは、すきっ歯だけでなく、ほかの不正咬合を引き起こす可能性も。
早めに治療を受けることで、すきっ歯になるリスクを下げられます。
歯周病
歯周病は細菌感染によって起こり、歯肉や歯を破壊する病気です。
歯周病が進行して歯肉が退縮したり、歯が移動したりすることで、すきっ歯になる可能性があります。
また、すきっ歯で歯と歯の間に隙間があると、その部分に汚れや食べカスがたまりやすくなります。
そこから虫歯や歯周病が発生し、悪循環に陥ってしまう恐れも。
すきっ歯の改善方法
すきっ歯の代表的な改善方法には、次の5つがあります。
- ダイレクトボンディング
- ラミネートベニア
- セラミッククラウン
- ワイヤー矯正(プチ矯正)
- マウスピース矯正(インビザラインなど)
すきっ歯の治療は、原則として保険適用外になります。
全額自己負担となる点には注意しましょう。
それぞれの改善方法の特徴や治療期間、かかる費用の目安について詳しく解説します。
1. ダイレクトボンディング
すきっ歯を外見的に治す方法の一つです。
ハイブリッドレジンを歯に直接盛り、隙間を埋めます。
費用の目安は1歯あたり6万円程度です。
ダイレクトボンディング自体は1回の通院で済みますが、着色・変色の恐れがあるため、定期的なメンテナンスが必要になります。
健康な歯を削らずに見た目を美しくすることが可能な点はメリットといえるでしょう。
2. ラミネートベニア
すきっ歯の見た目のみを改善する治療法です。
歯の表面を削り、薄いセラミックを貼り付けます。
こちらも1回の通院で済み、費用の目安は1歯あたり6万円ほどです。
ダイレクトボンディングに比べて、審美性を長く保つことができますが、健康な歯を削らなければならない点はデメリットでしょう。
3. セラミッククラウン
クラウン(被せ物)は、治療済の歯に対して行う治療法です。
セラミッククラウンでは、天然の歯にセラミックを被せます。
健康な状態の歯に対しては、ほとんど用いられることはありません。
歯の状態によって治療にかかる期間は変動します。
治療費の目安は1歯あたり12万円程度です。
4. ワイヤー矯正(プチ矯正)
ワイヤーによる部分矯正方法です。
歯の表または裏にブラケットを装着し、ワイヤーを通して歯を移動させます。
ダイレクトボンディングやラミネートベニアでは歯の見た目が大きくなりますが、ワイヤー矯正ならばご自身の天然の歯の形を活かしたまま、すきっ歯の治療が可能です。
ただし、常時ワイヤーを装着した状態のため、オーラルケアをしっかりしなければならないという注意点があります。
歯の表側にブラケットを装着した場合は、矯正器具が目立ちやすいというデメリットも。
ワイヤー矯正の場合、治療期間は3ヶ月から3年ほどかかります。
治療費用の目安は、表側矯正と裏側矯正で異なります。
表側矯正の場合は30~60万円、裏側矯正の場合は40~70万円を目安として考えておきましょう。
5. マウスピース矯正(インビザラインなど)
すきっ歯の治療として、マウスピースでの部分矯正も可能です。
マウスピースは透明で目立ちにくく、まわりに矯正していることを気付かせません。
ただし、1日に20時間以上装着が必要な点には注意しましょう。
正しくマウスピースを装着していれば、数ヶ月から2年ほどで治療は終わります。
費用の目安は10~40万円で、ワイヤー矯正よりも抑えられますが、歯を動かすスピードは劣ります。
すきっ歯に関するよくある質問
ここからは、すきっ歯に関するよくある質問と回答を紹介します。
- すきっ歯は自然に治りますか?
- すきっ歯は自力で治せますか?
すきっ歯は自然に治りますか?
基本的に、すきっ歯が自然に治ることはありません。
乳歯の段階ですきっ歯が見られた場合は、永久歯に生え変わる段階で、隙間が狭くなる可能性があります。
しかし、永久歯が生え揃った段階ですきっ歯が生じている場合は、自然に治ることはありません。
すきっ歯は自力で治せますか?
すきっ歯は自力では治せません。
すきっ歯を根本的に治療する際は、長期間にわたり、継続的に力をかけ続けることで歯を移動させる矯正治療が必要になります。
指などで歯を押しても、そう簡単には移動してくれません。
むしろ、歯を押すことで歯や歯を支える歯槽骨がダメージを受けたり、より歯並びが悪化したりする恐れがあります。
ご自身で歯を移動させようとする行為は大変危険です。
絶対にやめましょう。
まとめ
今回は「すきっ歯を改善する方法」について解説してきました。
全額自己負担にはなりますが、すきっ歯はさまざまな方法で治療することが可能です。
ぜひ本記事を参考に、ご自身に合った改善方法ですきっ歯を治療して、笑顔に自信を持ちましょう。
はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニック 院長 小西知恵
日本歯科大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学の摂食機能保存学を専攻。その後、東京都・埼玉県・大阪府の歯科医院に12年勤務し、2015年にはぴねす歯科石橋駅前クリニックに勤務。2020年7月、はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニックの院長に就任。