全身疾患との関連も指摘されている歯周病の予防とケア
早い段階で治療をはじめれば進行を遅らせることができます
心あたりはありませんか?
- 歯ぐきが腫れている
- 歯を磨いたときに血が出る
- 歯ぐきを押すと膿が出る
- 歯がぐらぐらする
- 口臭がする、クサイといわれた
- 歯ぐきが下がって歯の根が出ている
人類史上もっとも感染者数の多い感染症
厚生労働省の調査(※1)では、初期段階を含めると20代で70%強、30~40代80%強、60代以降は約90%もの人が歯周病に感染しています。2001年には「人類史上最も感染者数が多い感染症」としてギネス世界記録にも認定されいるほどです。初期段階では、自覚症状がほとんどなく腫れや痛み、出血が気になるころにはかなり進行しているというケースも少なくありません。
歯周病が進行すると歯ぐきから出血した状態が慢性化します。最終的には「歯が抜けるだけ」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。最近では、歯周病菌の毒素が血管に入り込み血液を通して全身に広がることで、糖尿病や心筋梗塞など全身疾患への関連も指摘されています。
歯周病は早期に治療を行うことで、進行を遅らせたり、将来の疾患や歯を失うリスクを軽減できます。少しでも気になることがあれば、お早めに歯科受診をご検討ください。お口の中の変化をプロの視点で管理する定期健診や予防歯科をご案内します。
歯周病の治療
初期~中期
初期から中期の歯周病と診断された場合、超音波器具を使用して、歯石、歯垢を除去するスケーリング、ざらついた歯の表面を滑らかにするルートプレーニングを行います。
(歯周病の進行イメージ)
中度~重度
中度~重度の歯周病と診断した場合は、歯科口腔外科で歯周外科治療を行います。歯周病が進行している歯ぐきを切開して、歯の根に付着しているプラーク(歯垢)や歯石を確認しながら丁寧に除去します。歯周精密検査を行い、フラップ手術が必要だと診断された場合は、保険適応で治療ができます。
(歯周病の進行イメージ)
定期検診で経過を見守りましょう
歯周病は治療を終えても、再発リスクが高く、完治が難しい感染症です。そのため治療後も定期的なメンテナンスで進行していないか、お口の些細な変化も見逃さないで早めに対処していくことが必要です。
また、歯周病になって歯ぐきが下がった歯は、普通の歯ぐきに比べてブラッシングが難しくなっています。メンテナンスの際に、磨き残しや再発していないか確認し、お手入れのお手伝いをします。
最初のうちは1ヶ月に1回、安定してきたら3ヶ月に1回程度の検診をおすすめしています。