「インビザラインって虫歯になりやすいんじゃないのか」という疑問を持っている方は少なくないのではないでしょうか?インビザラインに興味はあっても、虫歯のリスクからどうしても一歩前に進めないでいませんか?

そういった方は以下のような懸念点も持っていませんか?

  • 「虫歯になる可能性が高いのは困る」
  • 「なぜインビザラインだと虫歯になりやすいんだろうか?」
  • 「もしインビザライン中に虫歯になったときってどちらから処置をするの?」
  • 「始める前に虫歯だったら治療してからになるの?」

インビザライン中はどうしても矯正器具が邪魔して歯のケアがしにくいので、虫歯のリスクが高く、特に虫歯になりやすい部分もあります。しかし、もちろんインビザライン中に虫歯にならないための対策や虫歯になってしまった場合の対処法も多いです。

そこで今回は以下のトピックについて解説します。

  • インビザラインは虫歯になりやすい?
  • インビザライン治療中に虫歯になりやすい部位
  • インビザライン矯正中に虫歯にならないための対処方法
  • インビザライン治療中に虫歯になってしまった場合の対処方法

この記事はインビザラインは虫歯になりやすいのか、特に虫歯になりやすい部位であったり、虫歯にならないための対処方法、なってしまった場合の対処法も解説します。見た目に影響を与えないインビザライン治療を考えているものの、虫歯というリスクについて悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

インビザラインは虫歯になりやすい?


インビザラインは以下の3つの理由から虫歯になりやすいと言われています。虫歯になりやすい理由をしっかり理解していれば、虫歯のリスクを抑えられるので、まずはしっかり確認しましょう。

口の中が乾燥しやすくなるため

インビザラインをしていると口の中が乾燥しやすくなるため、虫歯になりやすいです。口が乾燥して唾液の分泌が減少してしまうと、虫歯菌を殺菌できず、増殖させてしまいます。

また乾燥していると汚れが固まってしまい、歯についてしまうことから歯磨きをしても汚れを落とすのが大変になるため、虫歯のリスクが高まるでしょう。

唾液による自浄効果が薄まれるため

インビザラインにより、唾液が少なくなり、自浄効果が薄まると虫歯のリスクが高まります。唾液は虫歯菌を殺菌する効果があり、虫歯の進行を抑えてくれる唯一の対策です。

そのため、インビザラインで口の中が乾燥して唾液が出なくなると虫歯のリスクが高くなるでしょう。

アタッチメントに汚れが溜まりやすいため

インビザラインをしているとアタッチメントに汚れが溜まりやすい点からも虫歯の可能性が高まります。

アタッチメントとは矯正器具を固定するための装置なのですが、取り外すことができないので食事をした後に歯のケアをしないと汚れが残ってしまうでしょう。

飲み物を飲む際にもアタッチメントに汚れが付く可能性もあることから、インビザラインをしていると虫歯になりやすいです。

インビザライン治療中に虫歯になりやすい部位

インビザライン治療にも特に虫歯になりやすい部位が4つあります。以下の4つをしっかりとケアすれば虫歯になる可能性を低くできるので、注意しながらケアをしましょう。

歯並びが悪いところ

インビザラインで特に虫歯になりやすいのは歯並びが悪い部分です。歯並びが悪い部分は歯磨きで綺麗に汚れを落としきるのが難しいため、虫歯になりやすい部分に分類されます。

そのため、定期的に歯科医院に通って歯科医師にケアしてもらう方が多いです。

歯と歯の隙間

歯と歯の隙間も虫歯になりやすい部分になります。どうしても歯ブラシだと歯と歯の薄い隙間の汚れを綺麗に除去するのは大変です。

歯と歯の隙間の汚れの対策としてデンタルフロスを使って汚れを除去する方が多いので、一度試してみましょう。

親知らず

インビザラインだと親知らずも虫歯になりやすい部分になります。なぜなら親知らずの生え方がまっすぐでなく、斜めや横に生えたりしていると歯と歯の間に余計な隙間が生じて、汚れが溜まりやすいからです。

また奥の歯でもあるので、他の歯よりも汚れを落としにくいことから、汚れが溜まりやすいインビザラインとの相性はあまりよくありません。そのため親知らずには注意が必要です。

詰め物や被せ物の隙間

インビザラインのような詰め物や被せ物による隙間は虫歯のリスクを高めます。どうしても詰め物や被せ物を長い時間していると徐々に変形し始め、周りの歯並びも少しづつ変化し始めるので、隙間が生れるケースが少なくありません。

こういった隙間を放っておくと汚れが溜まり始めることから、汚れのケアと歯の隙間を埋めるためにも歯科医院に通うようにしておきましょう。

インビザライン矯正中に虫歯にならないための対処方法


インビザライン矯正中に虫歯にならないためには主に5つの対処方法を実践しましょう。少し工夫すれば誰でも簡単にできるものばかりで継続しやすいので、まずは対処方法を試し始めてみると良いです。

フッ素入りの歯磨き粉で歯磨きをする

フッ素入りの歯磨き粉で歯磨きをすると虫歯になるリスクを抑えられます。フッ素には唾液の中に含まれるカルシウムが歯につきやすくなるようにしてくれるので、虫歯予防に効果的です。

アタッチメント周りは特に注意

フッ素入りの歯磨き粉で歯磨きをするときはアタッチメント周りに特に注意しましょう。

アタッチメントは小さな突起になっているので、しっかりとケアしなければなかなか汚れが取れません。そのため、歯磨きをするときはアタッチメント周辺は特に入念に磨きましょう。

糸ようじやフロスを使う

糸ようじやフロスを忘れずに使ってケアしましょう。どうしても歯ブラシで歯を磨くだけだと歯と歯の隙間といった細かい汚れを取ることはできないです。

そのため、面倒ではあるものの糸ようじやフロスを使って細部まで汚れを取るようにしましょう。こういった隙間の汚れから口臭が発生することも多いので、口臭ケアの一環としてケアすると良いです。

飲食時はマウスピースを外す

飲食時はマウスピースを外すように徹底しましょう。特に飲み物を飲むときに装着したまま、飲んでしまう方が多いです。

しかし、マウスピースをしたまま甘い飲み物を飲んでしまうと歯とマウスピースの間に糖分が多く溶け込んだ水分が残り続けると虫歯のリスクを一気に高めてしまいます。飲み物を飲むたびにマウスピースを取り外すのは面倒ですが、こういった小さなことの積み重ねが虫歯を防ぐので意識して過ごすようにしましょう。

マウスピースを清潔に保つ

マウスピースを清潔に保てなければ虫歯になりやすいです。歯を磨くことに注意が行きがちですが、装着するマウスピースが汚れていると歯が汚れ続けることになります。

そのため、必ず就寝前や朝起きた後など一日に一回はマウスピースを指や手で洗うようにしましょう。また一週間に一度は専用の洗浄液で磨くことを意識すると良いです。

水分補給をしっかりおこなう

水分補給をしっかりおこなうと虫歯になりにくいです。どうしても口の中が乾燥すると唾液が分泌しにくくなり、虫歯になりやすいのですが、水分補給をしっかりとおこなうとそれに伴って唾液が出てきます。

そのため、結果的に虫歯を抑制できるので水分補給はこまめにおこないましょう。

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インビザライン治療中に虫歯になってしまった場合の対処方法


もしインビザライン中に虫歯になってしまった場合には以下の3つの対処方法を取るようにしましょう。虫歯になっても焦らず、次にどういった手段があるのか、そしてどの手段を選択するべきかを考えられるようにまずは対処法を知ると良いです。

矯正治療と虫歯治療を並行しておこなう

まず治療矯正と虫歯治療を並行しておこなうパターンがあります。インビザライン治療は器具を取り外し可能なので、虫歯治療をおこないながら矯正治療をおこなうことも可能です。

ただし、虫歯の状態が酷くすぐに歯を削ったり、最悪の場合抜歯が必要なレベルであれば並行しての治療は難しいでしょう。

矯正治療を中断して虫歯治療を優先する

矯正治療を中断して虫歯治療を優先するケースもあります。このケースは虫歯の場所や進行状態が悪かったりといった、後々大きなトラブルを引き起こす可能性がある場合などの治療を優先しなくてはならない際に取られることが多いです。

治療期間は長引きますが、しっかり歯並びを綺麗にしたい方は焦らずに虫歯治療を優先しましょう。

虫歯部分の応急処置をして矯正治療を優先する

虫歯部分の応急処置をして、とにかく矯正治療を優先するというケースもあります。インビザライン治療だと矯正器具をいつでも取り外し可能なので、いつでも虫歯治療ができるのですが、治療をしてもすぐに虫歯が完治するわけではありません。

また虫歯の場所や大きさによっては詰め物をしたり、歯を削ったりして元のマウスピースではフィットしなくなり、矯正治療が長引くリスクがあります。こういったリスクから虫歯部分の応急処置だけして、先に矯正治療を優先するケースも少なくありません。

まとめ

インビザラインをすると矯正器具が邪魔で汚れを落としにくいことから、どうしても虫歯のリスクが高くなりがちです。しかし、虫歯にならないための対策やインビザライン中にもし虫歯になってしまった場合の対処法もしっかりと存在しているので、まずは試してみると良いです。

特に今回は虫歯になりやすい部分も紹介したので、重点的にケアをすると一気に虫歯になりにくくなるでしょう。

はぴねす歯科院長 小西知恵
コラム監修者

はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニック 院長 小西知恵

日本歯科大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学の摂食機能保存学を専攻。その後、東京都・埼玉県・大阪府の歯科医院に12年勤務し、2015年にはぴねす歯科石橋駅前クリニックに勤務。2020年7月、はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニックの院長に就任。