「インビザラインで抜歯した隙間」について気になっている方は多いのではないでしょうか?

抜歯してまで作った歯を動かすための隙間について、きちんと埋まるのか気になりますよね。他にも以下のようなことが気になっていませんか?

「抜歯して作った隙間ってどのくらいで埋まるんだろうか?」
「どのように隙間が埋まるのか仕組みが気になる」
「もし目立ってしまうような場所を抜歯した場合ってどうすればいいの?」

抜歯をしてできた隙間が埋まるには約1年〜1年半の時間がかかります。それは歯が動く仕組みが関係しており、どうしても長い時間がかかるからです。

また隙間が埋まりにくい理由は、噛み合わせが深かったり、上下で歯の幅がずれているなどさまざまです。しかし、実は応急処置として、隙間を埋めるために仮の歯を作って見た目の不安を消すこともできます。

そこで今回は以下のトピックについて解説します。

  • インビザラインで抜歯した歯はいつ埋まる?
  • インビザラインで抜歯した歯の隙間が埋まる仕組み
  • 抜歯をした隙間が埋まりにくい理由
  • インビザラインで抜歯した箇所が目立つ場所の対処方法

この記事はインビザラインで抜歯した歯について、埋まるまでどれくらいの時間がかかるのか、埋まる仕組みや目立つ場所を抜歯した場合の対処法について解説します。インビザラインで抜歯した際にできる隙間について気になっている方はぜひ参考にしてください。

インビザラインで抜歯した歯はいつ埋まる?


インビザラインで抜歯した場所が埋まる期間は様々な要素によって決まります。たとえば、抜歯した場所や歯の動かし方、歯のガタツキ具合によって埋まる期間は大きく変わるでしょう。

自身の理想としている歯並びと現在の歯並びとの差がどれくらいかにもよりますが、一般的に抜歯する際は奥歯から3本目か4本目の小臼歯を抜くことが多いです。そのため、4番目の小臼歯に焦点を当てて、埋まるまでどれくらいか解説します。

4番目の歯を抜歯したら埋まるまでどのくらいかかりますか?

奥歯から4番目の小臼歯という歯を抜歯すると隙間が埋まるまで約1年〜1年半かかります。一般的に歯は1か月で1mmほど動きます。

しかし、実際には個人差があり、歯が動きやすい人と動きにくい人がいたり、歯科医師の技術によっても変わってきたり、さまざまな要素が関係してきます。

そのため、少しでも早く歯を動かすために歯の動く原理である骨の代謝を高めることを意識しましょう。具体的には規則正しい生活習慣と栄養バランスの整った食事、十分な睡眠時間、適度な運動といった行動で、できることから行動に移すようにするとよいです。

インビザラインで抜歯した歯の隙間が埋まる仕組み


インビザラインで抜歯した場合の歯の隙間が埋まる仕組みは主に2つあります。あらかじめ歯科医師に相談する前に知識を抑えておきましょう。

傾斜移動(けいしゃいどう)

傾斜移動とは歯茎に隠れた歯の根元(歯根)が動かずに、目に見えている部分の歯(歯冠)を動かす方法です。

あくまで目に見えている部分だけを動かすので、歯が斜めに倒れるような形に動きます。歯が動いているという実感が最も得やすい方法ですので、早く歯を動かしたいという方にはおすすめです。

歯体移動(したいいどう)

歯体移動とは歯の根元(歯根)と目に見えている歯の部分(歯冠)を同時に動かす方法です。顎の骨に埋まっている歯根ごと歯を動かすので、傾斜移動よりは当然時間もかかり、相当の労力が必要になります。

しかし、歯をまっすぐ動かすため、顔のバランスを保ちやすいというメリットがあるので、見た目を気にする方にはおすすめです。

抜歯をした隙間が埋まりにくい理由


抜歯をした隙間は埋まりにくいのですが、それには理由があります。主に3つの理由に分けられるので、覚えておきましょう。

歯根の移動に時間がかかる

歯の根元を動かすには時間がかかります。それは顎の骨と歯の根元がくっついているからで、言い換えれば骨を動かすため、時間がかかるのです。

特に下の歯は動かすのが大変で、上顎よりも下顎の方が硬いため、かなり時間がかかると認識しておきましょう。

深く咬みこんでいると動かない

歯が深く噛みこんでいるとなかなか歯が動かないので隙間が埋まりにくいです。特に傾斜移動で歯を動かしたときに発生しやすく、何らかの形で歯が斜めになってしまった際に前歯が必要以上に内側に傾いて深く噛みこんでしまいます。

前歯の噛み合わせが深くなると移動が制限されて、歯を動かせなくなるので、余計に時間がかかるケースが多いです。

上下の歯の幅のバランスが合わない

上下の歯の幅のバランスが合っていない場合も隙間が埋まりにくいです。具体的には上の歯の幅よりも下の歯の幅が大きい場合、下の歯が綺麗にそろった時に上の歯の隙間は埋まりません。

こういった上下の歯の幅のバランスがずれていると歯の隙間が埋まらないでしょう。大抵の場合は幅が大きい方の歯をやすりで削って小さくすることが多いです。

インビザラインで抜歯した箇所が目立つ場所の対処方法

インビザラインで抜歯した箇所が目立ってしまうような場所だった場合の対処法を紹介します。

プラスチックで仮歯をつける

抜歯をした隣の歯にプラスチックをつけ、歯に見えるような仮の歯を作る方法があります。プラスチックで加工が簡単なので、しっかりと歯の隙間を埋められるだけでなく取り外しも可能です。

こちらの方法はマウスピースを使っていない、見た目を補うための方法と認識しておくと良いでしょう。

ポンティックをマウスピースに入れる

ポンティックというプラスチックの仮の歯をマウスピースに入れる方法があります。具体的には抜歯して隙間がある状態で、マウスピースを使って矯正しますが、その隙間の部分のマウスピースにプラスチックの仮の歯を入れるといった方法です。

こちらの方法は矯正治療と同時に見た目も補うという方法です。見た目を気にされる方の多くがこちらの方法を選びます。

関連記事:インビザライン矯正の期間は平均どのくらい?短縮する方法は?

まとめ

インビザラインで抜歯すると、隙間が埋まるまで1年~1年半程度かかります。それは歯が動く原理にも関係があり、歯茎の下の骨ごと動かす必要があるためです。

また、今回紹介した隙間が埋まりにくい理由もあるため、時間がかかることは覚悟しておきましょう。ただし、目立つ場所を抜歯して隙間ができたときのために、プラスチック製の歯を取り付けられるので、その仮歯とセットで治療を考えておくと良いです。

はぴねす歯科院長 小西知恵
コラム監修者

はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニック 院長 小西知恵

日本歯科大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学の摂食機能保存学を専攻。その後、東京都・埼玉県・大阪府の歯科医院に12年勤務し、2015年にはぴねす歯科石橋駅前クリニックに勤務。2020年7月、はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニックの院長に就任。