インビザラインとワイヤー矯正はともに歯列矯正です。
歯並びを治したいと思っていても、
「インビザラインとワイヤー矯正のどちらが自分に合うかわからない」
「できるだけ早く歯並びを治したい」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
インビザラインとワイヤー矯正にはそれぞれ異なる特徴があります。
そこで、今回は以下の内容について解説します。
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この記事を読むことで、インビザライン・ワイヤー矯正それぞれの治療期間や違いを知り、自分に合った歯列矯正方法を選べるようになります。
歯並びが気になっている方や、歯列矯正期間を短くしたい方は、ぜひ参考にしてください。
インビザラインとワイヤー矯正はどっちが早い?
インビザラインとワイヤー矯正、それぞれの治療期間の目安を表でご紹介します。
インビザライン |
ワイヤー矯正 |
約2~3年 |
約1.5年~3年 |
一般的に歯を動かす力の大きいワイヤー矯正の方が、インビザラインよりも早く治療が終わる傾向にあります。
ただし、軽度の矯正であれば、インビザラインでも半年程度で治療が完了する場合もあります。
このように、歯列矯正にかかる期間は矯正方法よりも、歯並びや噛み合わせの状態に左右されることがほとんどです。
インビザラインとワイヤー矯正の治療期間を短縮する方法
一般的に、ワイヤー矯正よりもインビザラインの方が治療期間が長くなりがちであることをご紹介しました。
インビザラインには治療期間を短縮する方法があり、さらにインビザラインとワイヤー矯正に共通した治療期間の短縮方法もあります。
ここからは、歯列矯正の治療期間を短くする方法について解説します。
インビザライン
インビザラインの矯正期間を短くする方法は次の2つです。
- 加速装置を併用する
- マウスピースの装着時間を守る
それぞれについて解説します。
加速装置を併用する
インビザラインの加速装置の正式名称は、光加速矯正装置(光適合補助装置)といいます。
LEDによる近赤外線ライトを歯周組織に照射し、細胞の活性化や血流増加を促して、歯列矯正をスピードアップさせる効果が期待できるものです。
効果には個人差がありますが、最短で治療期間を半分にできたというケースもあります。
ご自宅で1日8~10分程度、装置を装着するだけなので、負担なく治療期間を短縮できます。
マウスピースの装着時間を守る
インビザラインは、マウスピースを正しく装着することで歯を徐々に動かしていく矯正方法です。
装着方法・装着時間を守らなければ、治療期間は長引いてしまいます。
1日のうちのマウスピースの装着時間が長ければ長いほど、歯列矯正は短期間で済みます。
食事と歯磨きの時間以外は基本的にマウスピースを付け、1日20時間以上の装着を心がけましょう。
共通項目
続いて、インビザラインとワイヤー矯正、両方に共通する治療期間の短縮方法をご紹介します。
- 症例に合った矯正を選ぶ
- 部分矯正を選択する
- 虫歯や歯周病を防ぐ
上記3つのポイントについて、詳しく解説します。
症例に合った矯正を選ぶ
歯並びや噛み合わせは人それぞれ異なります。
適切な矯正方法を選ばなければ、治療に莫大な時間がかかってしまう恐れもあります。
とくに、インビザラインは適応症例が限られるため、注意が必要です。
重度の歯列不正や歯を大幅に動かさなければならないケース、抜歯が必要なケースなどは、ワイヤー矯正の方が適しています。
矯正経験の豊富な歯科医師のもとで検査を受け、ご自身に合った歯列矯正方法を選択することで、治療期間を短縮できるでしょう。
部分矯正を選択する
部分矯正とは、その名の通り歯列の一部分だけを矯正する治療法です。
一般的には、外見を左右しやすい前歯のみの矯正を指します。
全体矯正では2~3年かかることがほとんどですが、部分矯正ならば1年以内で終わることも。
ただし、部分矯正では歯を大きく移動したり、全体のバランスを整えたりすることはできません。
虫歯や歯周病を防ぐ
矯正治療中は、適切なオーラルケアで虫歯や歯周病を防ぐことが重要です。
虫歯や歯周病になると、矯正治療を一時中断しなければなりません。
その分、治療期間が延びてしまうのです。
とくに、ワイヤー矯正の場合はマルチブラケットやワイヤーを装着している部分の歯磨きがしづらいというデメリットがあります。
普通の歯ブラシに加え、先端の小さいタフトブラシや歯間ブラシも活用しながら、虫歯・歯周病予防に努めましょう。
インビザラインとワイヤー矯正の違い
インビザラインとワイヤー矯正の違いについて、表でまとめてご紹介します。
インビザライン |
ワイヤー矯正 |
|
治療期間 |
約2~3年 |
約1.5年~3年 |
通院頻度 |
1~3か月に1回 |
1か月に1回 |
費用 |
40~120万円 |
60~160万円 |
矯正装置の目立ちにくさ |
目立ちにくい |
目立ちやすい |
適応症例 |
少ない |
多い |
痛み・違和感 |
感じにくい |
感じやすい |
インビザラインはワイヤー矯正に比べて、歯に加える力が少ない分、痛みを感じづらいと言うメリットがあります。
また、無色透明のマウスピースを使用するため、周りの人に知られずに矯正できるメリットもあります。
ただし、ワイヤー矯正ほど多くの症例には対応していません。
ワイヤー矯正は歯の表面にマルチブラケットと呼ばれる装置を取り付け、そこにワイヤーを通して歯を動かす矯正方法です。
矯正装置を目立ちづらくするため、裏側にブラケットを付ける「裏側矯正」も選択できますが、表側矯正よりも難易度が高いため、経験豊富な歯科医師のもとで治療することをおすすめします。
大幅に歯を動かす必要があるケースなどでは、初めにワイヤー矯正を行い、その後インビザラインで微調整をしていく「ハイブリッド矯正」を選択できる場合もあります。
インビザラインとワイヤー矯正、どちらがおすすめ?
ここからは、インビザラインとワイヤー矯正、それぞれに向いている人の特徴についてご紹介します。
インビザラインが向いている人
インビザラインが向いている人の特徴は、次の通りです。
- 周りに矯正を気付かれたくない人
- 装着方法・装着時間を守れる人
- 歯科医院に通院する頻度を減らしたい人
- 痛みに対して不安がある人
- 金属アレルギーのある人
インビザラインは、正しく装着することで効果を発揮します。
自己管理が苦手な人にはあまり向いていないかもしれません。
ワイヤー矯正が向いている人
ワイヤー矯正が向いている人の特徴は、次の通りです。
- 早く歯並びを整えたい人
- 重度の歯列不正がある人
- 歯科医院への通院頻度を減らしたい人
インビザラインとは異なり、ワイヤー矯正では食事や歯磨きのたびに矯正装置を取り外す必要がありません。
マウスピースの紛失の不安がある人は、ワイヤー矯正の方が向いているでしょう。
ただし、ワイヤー矯正は歯を動かす際の痛みを感じやすく、矯正装置により口の中が傷つきやすいというデメリットがあります。
関連記事:インビザライン矯正とワイヤー矯正、どっちがおすすめ?
まとめ
今回はインビザラインとワイヤー矯正の治療期間の目安と、治療期間を短縮させる方法について解説してきました。
治療期間自体はワイヤー矯正の方が短い傾向にありますが、歯並びや噛み合わせによって治療にかかる時間は変動します。
本記事でインビザライン・ワイヤー矯正それぞれの特徴をおさえ、信頼できる歯科医師のもとでご自身に合った矯正治療を受けましょう。
はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニック 院長 小西知恵
日本歯科大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学の摂食機能保存学を専攻。その後、東京都・埼玉県・大阪府の歯科医院に12年勤務し、2015年にはぴねす歯科石橋駅前クリニックに勤務。2020年7月、はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニックの院長に就任。