インビザラインを検討している方のなかには、「インビザラインで噛み合わせが悪くならない?」「矯正中に噛み合わせが悪くなったらどうすればいいの?」と不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

インビザライン矯正中に噛み合わせが悪くなるケースはあります。

そこで、今回は以下の内容について解説します。

  • インビザライン矯正中に噛み合わせが悪くなる要因と対処方法
  • 正常な噛み合わせについて

この記事を読むことで、インビザラインと噛み合わせの関係を知り、万が一インビザライン矯正中に噛み合わせが悪くなった場合にも、適切な対処をできるようになります。

インビザライン矯正を検討している方や、矯正による噛み合わせの不具合が心配な方は、ぜひ参考にしてください。

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インビザライン矯正中に噛み合わせが悪くなる要因

インビザライン矯正中に噛み合わせが悪くなる要因として、次の5つが挙げられます。

  • 装着時間の不足
  • マウスピースの不適切な装着
  • マウスピースの変形や破損
  • 歯ぎしりや食いしばり
  • 治療過程での一時的な変化

それぞれ解説していきます。

装着時間の不足

インビザライン矯正では、1日20時間以上のマウスピースの装着が必要になります。

装着時間が不足していると、治療計画通りに歯が動かなかったり、後戻りを起こしたりするため、噛み合わせが悪くなる恐れがあります。

装着時間を守り、装着しない日が続いてしまった場合は、歯科医師に相談しましょう。

マウスピースの不適切な装着

マウスピースは、歯を密着させるように装着してはじめて効果を発揮するものです。

「マウスピースと歯が合っていない」「マウスピースが歯から浮いている」などの場合、歯並びや噛み合わせが悪くなってしまう恐れがあります。

マウスピースがしっかり装着できていないと、適切な方向に矯正の力が働きません。

間違った方向に歯が移動することにより、噛み合わせが悪くなってしまう場合があります。

また、インビザラインで用いるマウスピースは薄いものですが、それでも上下の歯の間に隙間を生じさせます。

マウスピースが歯から浮いているとその隙間が大きくなってしまうため、上下の歯の噛み合わせがうまくいかなくなってしまうケースがあるのです。

また、マウスピースは自己判断で交換しないようにしましょう。

マウスピースの交換時期は、歯並びや噛み合わせの状態を見て、歯科医師が判断します。

必ず歯科医師の指示にしたがって交換してください。

マウスピースの変形や破損

インビザラインのマウスピースは、0.5mm程度と非常に薄いものです。

変形・破損しやすいため、慎重に取り扱いましょう。

飲食の際は必ずマウスピースを外してください。

気温の高い場所に放置したり、お湯に浸けたままにしたりすることも、変形・破損の原因になります。

もしもマウスピースが変形・破損してしまった場合は、すぐにそのマウスピースの使用を中止しましょう。

歯並びや噛み合わせが悪化する可能性が高くなるだけでなく、口の中を傷つけてしまう恐れがあるためです。

歯ぎしりや食いしばり

歯ぎしりや食いしばりの癖があると、マウスピースに過度な力がかかり、変形・破損してしまうケースがあります。

また、マウスピースを装着したまま、歯ぎしりや食いしばりが起きると、歯に誤った方向での力がかかってしまう恐れがあります。

歯並びが整わないだけでなく、噛み合わせを悪化させることにもつながるため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合は、矯正治療開始前に歯科医師にご相談ください。

関連記事:歯ぎしり・食いしばり癖はインビザライン治療に影響ある?

治療過程での一時的な変化

矯正治療の過程で、一過性の噛み合わせが悪化する場合もあります。

インビザラインはマウスピースで歯に力をかけて移動させ、歯並びや噛み合わせを調整する治療方法です。

そのため、治療中は常に噛み合わせが変化している状態にあります。

この一時的な噛み合わせの変化による違和感は、治療完了と同時になくなることがほとんどです。

インビザライン矯正中に噛み合わせが悪くなった場合の対処方法

インビザラインでの歯列矯正中に、噛み合わせに違和感を覚えた場合は、次のように対処しましょう。

  • 定期的な歯科医師への相談
  • 装着時間の見直し
  • 正しい装着方法の確認
  • 破損したマウスピースの使用中止

それぞれの対処方法について詳しくみていきましょう。

定期的な歯科医師への相談

インビザライン矯正中に噛み合わせの悪さを感じたら、まずは歯科医師に相談しましょう。

矯正中は、一過性の噛み合わせの悪さが生じやすい状態にあります。

一時的なものだと判断された場合でも、矯正治療の進み具合とあわせて、定期的に歯科医師に確認してもらうことをおすすめします。

装着時間の見直し

インビザラインは1日20時間以上の装着で効果を発揮するものです。

装着時間が短かったり、装着しない日が何日か続いたりすると、計画通りに歯の移動ができず、噛み合わせが悪くなる恐れがあります。

1日のマウスピースの装着時間を確認し、適切な装着時間を守りましょう。

正しい装着方法の確認

インビザラインのマウスピースは、歯に密着させて使用しなければ矯正効果を発揮しません。

「マウスピースが浮いている」「歯からズレている」場合は、歯科医師にご相談ください。

歯に適切な方向で適切な力が加わらないと、歯並びや噛み合わせが悪くなる可能性が高まります。

マウスピースが歯にぴったりと装着できない場合には、歯科医師と相談のうえ、アライナーチューイーなどの使用も検討しましょう。

破損したマウスピースの使用中止

矯正中に噛み合わせの悪さを感じた場合は、マウスピースが変形・破損していないか確認しましょう。

もしもマウスピースが変形・破損していた場合は、直ちに使用を中止し、歯科医院を受診してください。

変形・破損したマウスピースは噛み合わせを悪化させるだけでなく、口の中を傷つけてしまう恐れがあります。

口の中が傷つくと、矯正治療を中断しなければならない可能性もあるため、絶対に変形・破損したマウスピースは使用しないようにしてください。

関連記事:インビザラインができない人とは?適応外の人の特徴を徹底解説

正常な噛み合わせについて

噛み合わせについて注目すべきポイントは、次の3つです。

  • 上下の歯が左右対称である
  • オーバージェットとオーバーバイトの幅
  • 奥歯の状態

それぞれのポイントについて、正常な状態を確認しておきましょう。

上下の歯が左右対称である

正常な噛み合わせでは、上下の歯が左右対称になります。

また、上下の前歯の真ん中の隙間(正中)が合っていることも挙げられます。

オーバージェットとオーバーバイトの幅

オーバージェット(overjet)・オーバーバイト(overbite)はともに、上下の前歯の噛み合わせの状態を示すものです。

オーバージェットは上下の前歯の前後関係を示します。

上の前歯が下の前歯より2~3mm程度前に出ている状態が正常な噛み合わせです。

一方、オーバーバイトは、上下の前歯の噛み合わせの深さを示します。

上下の前歯の先端同士が2~3mm程度重なった状態が正常な噛み合わせです。

奥歯の状態

奥歯は上下の歯が正しく噛み合っている状態が理想とされています。

正しい噛み合わせのためには、奥歯の位置関係も重要です。

一部だけに強い力がかかっていたり、左右で噛み合い方が違ったりする場合は、正常な噛み合わせとはいえません。

まとめ

インビザラインの矯正中、一時的に噛み合わせが悪くなるケースがあります。

また、インビザラインのマウスピースを適切に装着していない場合は、矯正効果が得られず、歯並びや噛み合わせが悪化してしまう恐れがあります。

本記事で紹介したインビザライン矯正中に噛み合わせが悪くなる要因と対処方法をおさえ、きれいな歯並びを目指しましょう。

もしも矯正治療中に噛み合わせの悪さを感じたら、すぐに歯科医師にご相談ください。

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はぴねす歯科院長 小西知恵
コラム監修者

はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニック 院長 小西知恵

日本歯科大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学の摂食機能保存学を専攻。その後、東京都・埼玉県・大阪府の歯科医院に12年勤務し、2015年にはぴねす歯科石橋駅前クリニックに勤務。2020年7月、はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニックの院長に就任。

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