真っ白な歯は清潔感にあふれ、周りの人に好印象を与えるとともに、ご自身も笑顔に自信を持てることで、気持ちも明るく前向きになると思います。

歯を白くするのにはホワイトニングが最も効果的ですが、被せ物を白くすることができません。均一な白さを求めるには、被せ物を新しくやりかえることが最も効果的ですが、どういった順序で行うのが最も効果的なのでしょうか。

 

ホワイトニングは天然歯だけに有効

薬剤を用いて歯を真っ白に仕上げるホワイトニングは、全ての歯を白くできるわけではありません。ホワイトニングは、天然歯のみ白くできるため、お口の中に差し歯やレジンで修復した部分は白くすることができないのです。

 

特に前歯はとても目立つ部位です。前歯の保険適用の差し歯は表側が白いレジンで裏側が金属の素材になります。レジンは白いため、前歯の差し歯に使ってもそれほど違和感はありません。しかし年数が経つにつれ、レジンが持つ「汚れや色素を吸着しやすい」というデメリットが浮き彫りになってきます。

 

できればホワイトニングで差し歯も綺麗に、と思う方もおられると思いますが、残念ながらホワイトニングは天然歯のみに効果があるため、差し歯を白くしたい場合は別の治療法が必要になります。

 

レジンを使った治療は劣化してしまいます

 

小さな虫歯治療で使ったレジンや前歯の差し歯は年数が経つと劣化し、ご自身の歯よりも汚れや着色が目立ち始めます。特に差し歯は黄ばみが目立つようになり、周りの歯と比べると劣化具合が大きく、審美面を大きく下げてしまいます。

 

レジンは樹脂で、簡単に言うとプラスチックと同じです。なぜレジンが劣化しやすいかと言うと、その理由は白いプラスチックのお弁当箱などを想像していただくと分かりやすいと思います。

 

プラスチックのお弁当箱は使っていくうちに細かな傷がついてきます。そこへケチャップやソースを使ったおかずを毎日使入れていると、細かな傷のところへ色素が入り込んで変色してきますよね。またニオイも気になってきます。レジンを使った差し歯の劣化はこれと同じ原理で、毎日の飲食とともに汚れや色素を吸収し、だんだんと黄ばみが目立ってしまうのです。

 

お口全体をきれいにするには、まずホワイトニングから

ではご自身の歯を真っ白にするホワイトニングと、劣化した被せ物の再治療のどちらを先にすればいいのでしょうか。結論から言えば、まずはホワイトニングです。と言うのも、先に被せ物の再治療を行うと、ホワイトニングを行ったときに色調のバランスが悪くなるかもしれないからです。

 

まずオフィスホワイトニングを行い、全体をトーンアップさせます。できればオフィスホワイトニングを2回ほど行い、いちばん高いレベルまで白くした状態で、被せ物の再治療を行うのが理想的です。ホワイトニングで真っ白になった歯のレベルに合わせ、被せ物の色調を決めることで全体のトーンを均一にさせることができるので、この順番で行うのが理想的です。

 

被せ物は劣化しにくいセラミックが理想

 

ホワイトニングで一気にトーンアップしたあとは、被せ物の再作製に移ります。しかしここで再び保険適用の被せ物にすると、数年後に同じように被せ物だけが劣化してしまいます。何度ホワイトニングで白くしても、被せ物は白くトーンアップできません。クリーニングで着色汚れは落とせても、作製した色調以上に白くすることはできないため、保険適用の被せ物ではなく、耐久性に優れているセラミッククラウンで再作製することが理想的です。

 

セラミックは滑らかで汚れや色素を吸着しにくく、年数が経っても作製した当初の美しさを保つことができます。また周りの歯に合わせて細かく色調を合わせることができるため、ホワイトニングでトーンアップした歯に合わせて自然な白さに合わせることができます。

 

またレジンで修復した部分は、ラミネートべニアによる審美回復が効果的です。ラミネートべニアはセラミックの薄いシェルを歯に貼り付ける方法で、こちらも汚れを吸着しにくく耐久性に優れた素材です。神経をとっていない歯にも有効で、歯をそれほどたくさん削りません。

 

このように、ホワイトニングで白くした歯には、セラミックを使った素材で再作製することがお勧めで、この順番で行うことが最も効果的です。

 

その後はホームホワイトニングで白さを持続させると、より白さが長持ちできます。オフィスホワイトニングと組み合わせ、効果的に白さを持続させることをお勧めします。

 

総合的に歯を白くキレイにして、笑顔に自信を持ちましょう

 

どんなにきれいに着飾っても、高級なものを身に付けていても、歯が黄ばんでいたり被せ物だけが劣化していると、全てが台無しになってしまいます。「残念な口元」と揶揄されないためには、お口全体の審美性を上げることが近道です。

 

特に治療済みの歯がある場合、保険適用のものでは必ず劣化してきます。歯を白くすること、そして劣化した部分をキレイに再治療することで、劇的に美しい口元を手に入れることができます。

 

ただ順序を間違えると不自然な口元になってしまう恐れがあるため、歯科医師とよく相談しながら理想の区t元を手に入れましょう。

 

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はぴねす歯科院長 小西知恵
コラム監修者

はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニック 院長 小西知恵

日本歯科大学歯学部卒業後、東京医科歯科大学の摂食機能保存学を専攻。その後、東京都・埼玉県・大阪府の歯科医院に12年勤務し、2015年にはぴねす歯科石橋駅前クリニックに勤務。2020年7月、はぴねす歯科川西能勢口駅前クリニックの院長に就任。